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2007年6月27日 (水)

1880年6月27日ヘレン・ケラー誕生「奇跡の人」(62年米)

1880年6月27日、アラバマ州タスカンビアで誕生したヘレン・ケラーは生後19カ月の時、原因不明の高熱に侵され視覚と聴覚を失ってしまう。閉ざされた世界で7歳になったヘレン(パティ・デューク)のもとに21歳の家庭教師のアニー・サリバン(アン・バンクロフト)がやって来た。

先ずアニーは指文字でアルファベットを教え、ものには名前があることを理解させようとした。行儀の躾けにおいてはヘレン対アニーの格闘さながらの状態が続く。両親のヘレンに対する憐憫ゆえの過保護が成長を妨げると、アニーはヘレンと離れの小屋で暮らすことを願い出て、2週間の約束で許可された。

ヘレンは世界の全てを知りたがっていると見抜き、信じ、彼女の魂を掘り起こそうと不撓不屈の精神でヘレンと向き合い、それによりヘレンの奇跡を呼び起こしたサリバン先生。劣悪な環境で育った自己の体験からヘレンの心に寄り添うことができるサリバン先生。くじけそうになると過去の情景がオーバーラップされ、あきらめないことで同時に自分自身も救われていく感じが伝わる映像になっていて、観客の方も救われる感じがするのです。

三重苦を乗り越え、社会福祉に貢献した偉人ヘレン・ケラーと、彼女の暗黒の世界に光を差し込むという奇跡の働きをしたアニー・サリバンの二人の女性に、今宵、乾杯を。

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2007年6月19日 (火)

6月19日ベアーズ、決勝戦に臨む「がんばれ!ベアーズ」(76年米)

少年野球チームのベアーズは市会議員のボブが自分の息子のために作ったチームで、どの子も野球がまともにできないばかりか、個性が強く協調性も全くない。そんなチームの監督を依頼された元マイナーリーグのピッチャーだったモリス(ウォルター・マッソー)だが、昼間から飲酒をしているような人物で「素面でも役立たず」などと言われている。リーグ戦も大負けが続き、士気は完全に衰えチーム解散の危機に。ここで発奮したモリスが「一度あきらめたら癖になる。続けろ」と少年たちを鼓舞し、野球の基礎を教え、チームワークを学ばせる。そして、12才の天才少女アマンダ(テータム・オニール)をピッチャーにスカウトし、さらに、運動神経抜群だが不良少年と呼ばれているケリー(ジャッキー・ヘーリー)を入れるなどして、ベアーズは急成長。野球の技術力というよりも、それ以上にそれぞれが人間的に成長していく。あくまでも個性を失わずに、というところがGOOD.

ベアーズはついに、6月19日(アメリカの学校はこの時期、学年末)のリーグの上位2チームで戦う優勝決定戦に進出することに。この決勝戦で両チームの監督は勝つことのみに汲々としてしまうが、そんな大人に対して子供たちはキッパリと抗議。彼らは勝敗よりも大切なものを感じ取り、それを守ろうとするほどに成長していたんですねえ。この最後の試合は<みんな違ってみんないい>を打ち出しているように感じます。

ビゼー作曲の♪カルメン序曲 まるでこの映画のオリジナル曲のようにピッタリです。

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2007年6月13日 (水)

1886年6月13日ルートヴィヒ逝く「ルートヴィヒ 神々の黄昏」(72年伊・西独・仏)

1864年、18歳でバイエルン国王に即位したルートヴィヒ2世。国を治める仕事より芸術が大好き。王になって早速「リヒャルト・ワーグナーを捜せ」と命令した。「国に芸術を広めることで国民の役に立ちたい」と本気で思っている、容姿端麗な若き王ルートヴィヒ(ヘルムート・バーガー)はゲルマン伝説をオペラにしたワーグナー(トレバー・ハワード)に心酔し、強力にバックアップした。また、ルートヴィヒは従姉にあたるオーストリア皇后のエリザベート(ロミー・シュナイダー)を生涯、慕い続けた。

1866年のプロシア・オーストリア戦争への参戦に際しても、1871年にはドイツ帝国の誕生でバイエルンは併合され、名ばかりの王になってしまっても、とにかく争そいごとは大嫌い、なのだった。それは芸術を愛する彼の心の対極にあったものだったのだろう。

ワーグナーが去った後は、中世風の豪華なお城、後に白鳥城と呼ばれ、シンデレラ城のモデルともなったノイシュバンシュタイン城の建設に熱中する。さらに、リンダーホーフ城、ヘレンキムゼー城と、自分の芸術世界を実現させるために巨費を投じ国家財政は傾いた。

自分にとって大事なものと苦手なものが、あまりに明確で、それに殉じているルートヴィヒ。もし彼が、国王などではないが自由にできる自分のお金は存分にある、という人物だったらどうだったのだろう・・・。しかし、立場が立場だけに、パラノイア(偏執狂)と診断を下され、国の統治は不可能だとミュンヘンのベルク城に幽閉されてしまう。そして1886年6月13日、精神科医と共にベルク城の湖畔で遺体が発見された。謎の死をとげたバイエルン最後の国王は伝説の王となった。

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2007年6月11日 (月)

6月11日ミランダ解放される予定の日「コレクター」(65年米)

蝶の収集が唯一の趣味であるフレディ(テレンス・スタンプ)はサッカーくじで大金を得たことにより、仕事を辞め、人里離れた一軒家を購入。美術学校生のミランダ(サマンサ・エッガー)をストーカーし誘拐し監禁する。彼にとって、ミランダは今まで採取した蝶のコレクションの中で一番の宝物なのだ。だから、リスペクトし大切に扱う。「自分という人間を知れば、当然、自分を愛してくれるはずだから、それまでの間、監禁する目的で誘拐した。終身刑でもそれなりの価値はある」と、とっても冷静で、表面は紳士的でさえあるフレディ。普通の感覚からすれば異常でも、彼の中では全てが理路整然としている。

「私があなたを愛するなんて死んでもあり得ない!」と当然、ミランダは解放してくれるよう懇願する。「食事をし、僕と会話して逃げようとしなければ」という条件付で、4週間後に解放すると約束させたミランダは壁にカレンダーを印して、その日6月11日に希望を託しもし、抵抗もする。

蝶のコレクションと人間の監禁が同じレベルのフレディは、社会からスポイルされてきたような部分があって、被害妄想も膨らんでいたようだ。社会に通用しない自分本位の理屈と欲望で行動する異常心理(性格)の人ではあるけれど、こういう心理状態は社会生活の中で発生し、それがまた、日常の中に潜伏しているのだと思うと、本当に怖くなるのでした。

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2007年6月 6日 (水)

1939年6月6日セントルイス号アメリカ海域を追われる「さすらいの航海」(76年英)

この映画を観なかったら知りえなかったであろう、第二次世界大戦直前の忌まわしい史実がドキュメントタッチで語られている。

1939年5月13日、ドイツ客船セントルイス号が亡命を希望するユダヤ人937名を乗せ、ハンブルクからキューバのハバナに向けて出航した。故郷を去る寂しさはあるものの、迫害に耐えてきた彼らは自由を夢見て大西洋へと船出する。しかし、最初からこの航海はユダヤ人迫害への国際世論を配慮したナチスによって仕組まれたものだった。亡命希望者を援助しているというジェスチャアのみならず、混乱しているキューバの国情に乗じてキューバがこの亡命者を入国させぬように画策して、ナチスだけがユダヤ人を嫌っているわけではない、との宣伝に利用するためだった。

5月27日、ハバナ港沖にセントルイス号停泊。上陸許可を願うものの叶えられず、6月2日よりフロリダ海峡を迷走していたこの難民船はアメリカ沿岸警備隊からも米本土への接近・上陸を禁じられ、ついに6月6日、大西洋を引き返すこととなる。この計画に利用されたセントルイス号のシュレーダ船長(マックス・フォン・シドー)はドイツへの帰国を何とか回避しようと尽力する。自らの危険を顧みず、ナチスに抵抗したドイツ人は確かにいたのだ。

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