1827年3月26日べートーヴェン逝く「不滅の恋 ベートーヴェン」(94年米)
1827年3月26日、ルードヴッヒ・ヴァン・ベートーヴェンが56歳で逝去。ウィーン挙げての葬儀が行われた後、ベートーヴェン(ゲイリー・オールドマン)の秘書であり遺言執行人に指名されていたシンドラー(ジェローン・クラッペ)が「全ての楽譜と財産の相続人は我が不滅の恋人ただ一人である」がベートーヴェン最後の遺書だとして、不滅の恋人なる女性を探す旅に出る。手がかりはベートーヴェンが書いた宛名のない熱烈なラブレター。
ベートーヴェンの偉大さを前に音楽家への道を断念したシンドラーにとって、その恋人探しはベートーヴェンの波乱に富んだ生涯をたどり、心を解き明かすための巡礼のように続けられる。
難聴のベートーヴェンがピアノの共鳴板に左耳を押し当て「月光」を弾いている姿は、まるでピアノを抱擁しているかのようで、“音楽こそ不滅の恋人、だって孤高の楽聖ベートーヴェンだもの” とクールなことを思ってしまった。
「第九交響曲」の演奏会が盛大に行われている中、完全に聴覚を失った晩年のベートーヴェンは空想の世界に浸っている。少年時代、横暴な父親から逃れ、夜の林の中の池~水面に満天の星が反射している~に身を浮かべている、神々しくも、いたいけなルードヴッヒ少年の姿は、第九を聴くだび甦るのであります。
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