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2007年2月27日 (火)

1933年2月27日ドイツ国会議事堂放火事件「地獄に堕ちた勇者ども」(69年伊)

ナチスが台頭していく中で実際に起こった事件に、ドイツの鉄鋼王エッセンベック一族崩壊の悲劇を絡めた、おぞましくも壮大な物語です。

一族の長ヨアヒム男爵の誕生祝いの最中、ベルリンの国会議事堂が炎上中との報告が届く。1933年2月27日に起きたこの放火事件は、ナチスの仕業とされながらもナチスが敵対者弾圧の口実にしたという事件で、公然と悪事がまかり通るほどにナチスの権力が増大したことを象徴している。実業家たちも生き残りを考えざるを得ない状況になっていた。男爵は「本意ではないが事業存続のためにナチスとの緊密な接触もやむなし」との考えを表明する。ここから一族の者たちは、それぞれの立場、それぞれの思惑によってそれぞれの道を行くことになる。

エッセンベック家に元々内在していた問題の表面化や、ナチスの親衛隊(SS)による突撃隊(SA)幹部の粛清シーンは、人間性を逸脱した人間たちの崩壊は人間レベルを超えた次元で美しい、とビスコンティ監督は言っているかのようです。こんな地獄絵を耽美的芸術的シーンにしてしまえるのはこのイタリアの巨匠をおいて他にはいないと思われます。

ドイツ版華麗なる一族はナチスの隆盛と共に崩壊していきますが、それはまた、ナチスの崩壊をも明示しているかのようです。

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2007年2月13日 (火)

1856(安政3年)年2月13日お蓮の日誌始まる「暗殺」(64年松竹)

司馬遼太郎の『燃えよ剣』で新選組にハマった。おかげで幕末史だけはちょっと明るい、つもり。

結果として新選組の基となる浪士隊の結成を幕府に建言し許された清河八郎。上洛する将軍様警護のため募集したはずの浪士隊。その真の目的は尊皇攘夷の先駆けとするためで、朝廷からもお許しをいただいてしまう。なんとも大胆不敵な尊攘派の策士で、案の定、暗殺されてしまった。1863(文久3)年4月13日、34歳だった。

激動の時代とはいえ理解しがたいと思っていた清河さんだが、追い詰められた彼が一発逆転を狙った策略だったということが理解できた。また、郷氏出身の彼は武士の身分ではないがために、志と才能を生かす場を探し求めた、という点においては、近藤さんや土方さんと変わりないのだった。この映画はまた、清河八郎(丹波哲郎)を中心とした幕末動乱史としても興味深く、新選組誕生前史にもなっている。そして篠田監督の映像美は殺伐とした世界の中にも神の視点を感じさせてくれる。                                                          

清河が妓楼から身請けしたお蓮(岩下志麻)は命を賭けて清河を守り抜いた。お蓮が拷問の縄を解かれて捕吏を見上げる時の表情は、どんなふうに役にアプローチしたら、こんな表情ができるのだろう、と思った。志麻さんの演技は私の心に効きます。幕末の好きな女性ナンバーワンは高杉晋作を支えたおのうさんと坂本龍馬の妻お龍さんを凌いでお蓮さんになった。お蓮のような女性に愛された清河さんは、もうそれだけでも、いい人なんだと思えた。彼も愛した女性はお蓮だけだった。.安政3年2月13日はお蓮が妓楼の女となり、運命の歯車が回り出した日。                                                                                                         

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2007年2月 2日 (金)

1980年2月2日ジョージとブロンティ書類上の結婚「グリーン・カード」(90年米)

アメリカに来たスランス人のジョージ(ジェラール・ドパルデュー)は仕事を持つために必要なグリーンカード(米国永住許可証)が欲しくて、ニューヨーカーのブロンティ(アンディ・マクダウェル)は夫婦でないと入居できないグリーンルーム(温室)付きの高級アパートに住むために、結婚証明書を手に入れた。その日付が1980年2月2日となっている。しかし、入国管理局はグリーンカード目的の不正に目を光らせている。係員がアパートを訪問し調査するというので、偽装結婚の理由以外、お互いのことを全く知らない二人は同居を始める。

貧しい人に奉仕する緑化ボランティアの活動にも熱心なブンロティは「植物は宝物」という女性。方やジョージは根無し草のような人生を送ってきた男。この合うはずもないような二人が、これまでとは違う価値観に触れて、混乱しながらも新しい人生観が展開していく。

ジョージの腕の入れ墨の由来についての話は彼の過去が凝縮・象徴されていて、それを率直に語るジョージと、それを受け止めるブロンティの心の変化のシーンがとても印象的。細部まできっちり創りあげるられていると、先の読める展開がかえって嬉しかったりする。入国管理局の質問もかなり細かいです。

フランスの名優ジェラール・ドパルデューはとても個性的な俳優なのに、どんな人物を演じてもハマルから不思議だ。

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